青色申告特別控除額が「10万円も減る人」が続出?(令和2年度確定申告から)

青色申告特別控除額「10万円も減る人」が続出?(令和2年度個人確定申告から)

札幌市白石区の建設業専門の千葉税理士事務所です。

青色申告をすると「お得」という話を聞いたことはありますか?

実は個人事業主や事業的規模の不動産所得の方の青色申告のお得な部分が減ってしまう可能性があります。

具体的には、今まで青色申告特別控除を65万円使っていた方55万円に縮減される可能性があるのです。

今までは、青色申告承認申請書を期限までに提出して、しっかりと帳簿をつけていると65万円の青色申告特別控除が受けられました。

ところが、これに加えて新しい要件を満たさないと青色申告特別控除額は55万に減ってしまいます。

(目次)

1.青色申告のメリットとは

2.青色申告特別控除65万円を受けるための要件とは

3.令和2年度までに必要な対策とは

4.まとめ

1.青色申告のメリットとは

白色申告と青色申告という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

白色申告は青色申告に対比して使われる言葉で、特に何の届出もしていない人は白色申告になります。

青色申告は原則としてその年3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄税務署に提出した人が受けられる特例です。

新規開業の場合には、開業日から2月以内に「青色申告承認申請書」を提出しておく必要があるので注意しましょう。

一度、青色申告承認申請書を提出して承認されると、その後は提出しなくてOKです。

「青色申告の方が有利」といわれるのには、青色申告だけに認められた特例があるからです。

(青色申告の特例とは)

青色申告の方がオトクといわれる理由は、青色申告の特例にあります。

青色申告の特例について見ていきましょう。

①青色申告特別控除

事業をしていると利益が大きければ税金が増えます。

利益を減らすためには経費を使うしかありません。

ところが青色申告の人は経費を使わなくても「青色申告特別控除」という経費と同じような節税効果のある「青色申告特別控除」というものを引くことができます。

②青色事業専従者給与

所得税では身内に給料を払っても経費で落とせません。

忙しいときに家族に手伝ってもらってお給料を払っても経費にならないのです。

例えば、奥様に毎日帳簿をつけてもらってもお給料を経費で落とせないということになります。

事業主のポケットマネーでお小遣いをあげたということになってしまいます。

配偶者控除が改正されたため、事業主の合計所得金額が1,000万円を超えると奥様は配偶者控除も受けられないことになります。

それであれば、しっかりと青色事業専従者給与を支払って仕事をしてもらった方が節税になります。

青色申告の人はその年3月15日までの間に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することで家族に支払った給料を経費で落とすことができます。

③貸倒引当金の設定

事業をしていると売上金を踏み倒されることがあります。

取引先の夜逃げや破産など様々な理由で売上金を回収できない事情が出てきます。

青色申告の場合は、これに備えるために決まった計算方法で概算の貸倒引当金という経費を計上することができます。

白色申告の場合には実際に税法上の回収不能になったときまで経費が全くでないことになります。

④純損失の繰越・繰戻し

自魚をしているといいとき・悪いときが訪れます。

たまたま赤字現場が多かったり、事業用の機械や車輌が壊れてしまった場合に多額の損失がでることがあります。

そうなると事業所得が赤字になってしまうこともあり得ます。

この赤字を他の所得の黒字と通算します。

それでも残った赤字を翌年以後3年間繰越すことを純損失の繰越控除といいます。

翌年以後に繰越さずに、前年の所得税の還付を受けることに使うことを純損失の繰戻し還付といいます。

白色申告であれば、悪かった年は所得税がないだけで、翌年以後利益が出たら納税が増えてしまいます。

青色申告の場合には、悪かった年の赤字を翌年以後の所得税計算上経費のように使えるので納税が減るメリットがあります。

個人事業主の場合、赤字になると生活費が取れないということになってしまうため使うことは少ないと思います。

2.青色申告特別控除65万円を受けるための要件とは(令和元年まで)

青色申告特別控除には10万円と65万円があります。

なぜ10万円と65万円の2種類があるかというと、事業をおこなっている人がよりきちんとしている場合は優遇を大きくするということです。

簡易的な帳簿など最低限の要件をクリアしている場合には10万円の特別控除と区別を設けています。

自分で経理をしている方の中には、10万円と65万円の要件の違いがわからないまま間違って65万円の特別控除を使ってしまっている方もいらっしゃいます。

税務署からの問合せや税務調査の際に修正を求められるケースもあるので注意しましょう。

①青色申告特別控除65万円を受けるための要件5つとは

青色申告特別控除を受けるためには、5つの要件の全てを満たす必要があります。

・不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること

建設業の方の場合には事業所得に該当します。

そのため、この部分は問題が起こりにくいので気にしなくても大丈夫です。

・その事業の帳簿を正規の簿記の原則により記帳していること

建設業の方だけでなく、事業をおこなっている人にとって問題がおこるのはこの部分です。

「正規の簿記の原則により帳簿をつける」とサラッと書いてあるのですが、正規の簿記の原則は簿記を勉強しなければわからないものになります。

例えば、お金が入ったときに「売上」・支払った時に「経費」というのが正規の簿記の原則ではないということになります。

きちんと売上など収益や経費は発生したときに処理をしなければならないのです。

ただ単に「会計ソフトに入力ができる」ということではなく簿記や会計ルールを調べて経理をしていないといけないのです。

・その正規の簿記の原則でつけた帳簿に基づいて「貸借対照表」「損益計算書」を確定申告書に添付していること

手書きの帳簿で「貸借対照表」「損益計算書」を作ることができるのは、昔から経理をしているプロフェッショナルな事務員さんです。

今では会計ソフトに正しく入力していれば「貸借対照表」「損益計算書」が自動的に作成されます。

弥生会計・やよいの青色申告・会計王・みんなの青色申告・MA1・MFクラウド会計・freee(フリー)のどれを使っても、きちんと会計ソフトに入力するだけで貸借対照表・損益計算書は作成できます。

日々の帳簿を集計したものが「損益計算書」「貸借対照表」という表になるのです。

(ポイント:よくある間違い)

会計ソフトに入力さえしていれば正しい損益計算書」・「貸借対照表」ができると思っている方がいます。

自分でされている貸借対照表・損益計算書をみると「あり得ない部分がマイナス(赤残)」になっていることがあります。

例えば、普通預金や現金の残高がマイナスの貸借対照表は明らかに間違っています。

現金や預金は「プラス」にしかならないのに、マイナスで表示されている時点で帳簿も間違っていることがわかります。

そうなると青色申告特別控除65万円要件の「正規の簿記の原則」で帳簿がつけられていないということがわかってしまいます。

これ以外にも貸借対照表をつけないまま青色申告特別控除65万円の金額適用を受けてしまっていることもあります。

・確定申告書に青色申告特別控除の記載金額を記入していること

青色申告の個人事業主の場合は、所得税青色申告決算書(44番)と確定申告書Bの第一表の右側(51番)に青色申告特別控除額を記載する箇所があります。

※確定申告書は様式が変更になることがあるので郵送されてきた申告書を確認してください。

この部分に青色申告特別控除額を記載します。

青色申告特別控除65万円をフルに使っている場合には「650,000)と記入します。

青色申告特別控除を引く前の利益が65万円よりも少ない場合には、その利益の金額になります。

・確定申告書を法定申告期限までに提出していること

所得税の確定申告期限は3月15日になります。

3月15日が土曜日・日曜日の場合には、その土日祝日の後の最初の平日が申告期限になります。

「仕事が忙しい」や「経理が追いつかない」という理由があっても、この法定申告期限を過ぎてしまうと「青色申告特別控除65万円」は使えなくなります。

この場合、青色申告特別控除が全く受けられなくなるわけではありません。

法定申告期限後に確定申告書を提出する場合には、青色申告特別控除は10万円になります。

特別控除が55万円も下がると、所得税・住民税・国民健康保険料の負担額で10万円以上多くなることもあるので注意しましょう。

3.令和2年度までに必要な対策とは

令和2年度の所得税確定申告から青色申告特別控除は3つに分かれます。

①青色申告特別控除10万円

今までの青色申告特別控除10万円の要件のままです。

②青色申告特別控除55万円

今までの青色申告特別控除65万円の要件だけでは、青色申告特別控除55万になります。

③青色申告特別控除65万円

②の青色申告特別控除55万円の要件+(e-taxによる電子申告又は電子帳簿保存)

今まで通り、きちんと帳簿をつけていても青色申告特別控除は55万円に下がってしまいます。

もう一つの要件を満たすことで青色申告特別控除65万円のまま維持できるのです。

(新:青色申告特別控除65万円の追加された要件)

e-taxによる電子申告又は電子帳簿保存のいずれかを満たすことで青色申告特別控除65万円が適用可能です。

個人的な意見ですが電子帳簿保存は事前の手続きが必要になることもあり、面倒になります。

e-taxによる電子申告をする方が、税務署に提出に行かなくてよいというメリットもあるのでこちらで要件を満たした方が楽だと思います。

4.まとめ

青色申告をすると「青色申告特別控除65万円」が自動的にとれるというわけではありません。

自分で経理をしていても「実は青色申告特別控除が10万円だった」というリスクもあります。

令和2年の確定申告からは電子申告をするか電子帳簿保存をしなければ青色申告特別控除が10万円又は55万になるので注意しましょう。

税理士さんに任せて青色申告特別控除65万円を確保してはいかがでしょう?

千葉税理士事務所では、建設業の個人事業主の方向けに税務顧問と合わせて記帳代行(経理代行)をおこなっております。

もちろん電子申告にも対応しているので令和2年以後の青色申告特別控除65万円もしっかり対応しております。

すぐに対応を始めることで税金対策節税についても考える時間ができます。

次に該当する方は今すぐご相談ください。

・確定申告時に慌てて経理をしている方

・青色申告特別控除65万円がとれていない方

・会計ソフトを使ってしっかりとした帳簿をつける自信がない方

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