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建設業は請求書を出さなければ売上にならない?【売上計上時期のルール】

札幌市白石区の建設業専門の千葉税理士事務所です。

個人的な感覚ですが、ほかの業種に比べて建設業の税務調査は多い気がします。北海道の場合、肌感覚では建設業はここ数年安定的に好況だからなのかとも思います。

建設業の税務調査で必ずチェックされるものの中に、売上は正しいのかという点が挙げられます。今回は建設業の売上について考えてみましょう。

建設業は請求書を出さなければ売上にならない?【売上計上時期のルール】

建設業といっても大工工事・舗装工事・設備工事・鳶・土工・型枠大工など細かく分かれてきます。

リノベーションや新築工事・リフォーム工事など工事の規模も様々です。

建設業の税務調査になると必ず「売上は正しいのか」というところをチェックされます。

税理士さんを頼んでいない個人事業の方や確定申告や法人決算時にまとめて税理士さんに頼んでいる場合には、この売上チェックが甘くなっていることがあります。

会社側で建設業の売上は何が正しいのかを理解しておくことが重要になります。

今回は、建設業の売上についてしっかりとみておきましょう。

(目次)

1.工事の収益計上の根拠とは(法人税法64条)

2.建設業のそもそもの売上のタイミングとは

3.請求書を売上だと思っていると痛い目に

4.まとめ

1.工事の収益計上の根拠とは(法人税法64条)

少し専門的な説明になってしまいますが、根拠があいまいだと不安になると思います。

工事の収益計上に関する根拠は法人税法64条にあります。

第1項では、長期大規模工事という工事金額10億円以上など大きな元請け現場の話に関する規定を説明しています。

ここでは第2項の一般的な工事に関するものをみていきましょう。

法人税法六十四条(工事の請負にかかる収益及び費用の帰属事業年度)

2 内国法人が、工事(その着手の日の属する事業年度(以下この項において「着工事業年度」という。)中にその目的物の引渡しが行われないものに限るものとし、長期大規模工事に該当するものを除く。以下この条において同じ。)の請負をした場合において、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度からその工事の目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の確定した決算において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合には、その経理しなかつた決算に係る事業年度の翌事業年度以後の事業年度については、この限りでない。

この条文からわかることは次の点です。

①現場の引渡しが終わっていたら売上は確定(売上計上は義務)
②現場の引渡しが終わっていない場合は、次の2パターンに分かれる

A(原則):引き渡し時に売上・費用を計上する(翌期以後の売上・経費)

B(例外):工事進行基準で経理していれば、工事進行基準で経理している収益・費用を売上・経費で処理する

工事の売上などの収益と経費の経理すべき年度はわかるのですが、そもそも「売上はいつは決まるの?」という疑問は残ったままです。

税務署が税務調査に来た時に「そもそもの売上時期が違う」と言われたらどうしようもありません。

2.建設業のそもそもの売上のタイミングとは

建設業の収益の経理処理については、法人税法64条で定めています。

ところが、そもそもの「はい、これが売上のタイミングです」ということは書いていません。

そのヒントになるものが、通達2-1-21-8(建設工事等の引渡しの日の判定)というものがあります。

(建設工事の引渡し日)

次のもののうち、合理的であると認められるもののうち、その法人が継続して適用しているもの。

①相手方の受け入れ場所へ搬入した日

②相手方が検収を完了した日

③相手方において使用収益ができることとなった日

この規定を見ていただくとわかるのですが、請求書の言葉はどこにも出てきません。

あくまでも現場が完了していれば売上は確定しているという扱いになります。

人工請けの場合であれば、1日いくらということになるので日々売上は確定していきます。

3.請求書を売上だと思っていると痛い目に

請求書を出さなければ売上を上げなくてもよいと思っていると、大きな問題に発展していきます。

先ほどの説明のとおり売上の計上基準には請求書の発行というものがないのです。

利益が出すぎそうだから請求書を出したときに売上をずらすということはダメです。

現場が完了している可能性が高いかどうかは請求書とは別の部分から推測してチェックをしていくことができます。

確定申告や決算時期に慌てるのではなく、月々の帳簿をしっかりとつけることで利益状況をしっかりと把握することが重要です。

4.まとめ

建設業の税務調査で必ずチェックされる売上計上時期の確認は会社側でしっかりと対応できるものです。

社長・営業担当・経理の3者がいつの売上・利益になるかを理解しておくことで会社の利益計画を作ることができます。

売上時期のずれが調査で発覚すると大きな納税が発せしてしまうので資金繰りに影響します。

毎月の帳簿の入力・チェックをおこなうことで資金繰り対策もしっかりと行いましょう。

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